愛を求める男と金を求める女

2024/7/4

独身研究家でもあり、コラムニストでもある荒川和久氏によれば、「結婚生活で必要なのは、愛か、金か」という質問に対して、20~50代の未婚男女の回答は、

未婚男性は、「結婚生活は愛だ」28%、「金だ」25

未婚女性は、「結婚生活は愛だ」21%、「金だ」45

だったとのことです。

「結婚に愛を求める男」と、「金を求める女」という構図が明確になったといいます。また、一方で、結婚相手に求める条件として、相手の収入=経済力を上位に挙げている男性が急増しています。いずれにせよ、婚活において、女性の年収は、結婚に向けて、非常に大きな考慮事項になってきています。

 

女性の年収記載の重要性について

 

厚生労働省は2023年の人口動態統計の概数を発表し、これによれば2023年の婚姻件数は474717組と、2022年より3213組減少し、戦後最も少なくなりました。これに伴い、合計特殊出生率(1人の女性が一生のうちに産む子供の数の指標)も減少し、1.20となりました。

2022年の確定値と比べても0.06ポイント低下していて、統計を取り始めた1947年以来、最も低い数値となりました。

都道府県別では全ての都道府県で2022年より低くなり、このうち最も低かったのは東京都で、初めて1を下回り0.99という結果となりました。

出生率の減少は婚姻数の減少で説明できますが、その原因の割合の多くは未婚の若者を取り巻く経済環境であり、特にこうした男女の相手への希望条件と現実の乖離がマッチングに繋がらない大きな原因の一つであることは、間違いないかと思います。

 

こうした背景から、前段でもお話させて頂いた通り、今や結婚にあたり、男性が女性に経済力を求める時代になりました。モテる女性の条件の一つとして経済力が上がり始めているのです。

 

業界大手のI社が20244月に公開した「成婚白書2023」では、収入を登録した女性としなかった女性の、お見合いの申し込まれ回数の差が発表されています。年収を公開している女性会員は、年収を公開していない女性会員に比べ、成婚を果たした会員で1.2倍、成婚せずに退会した会員でも1.32倍、男性からのお見合いを申し込まれ回数が多いという結果となっています。

出生動向基本調査(第16回)によれば、相手の収入などの経済力を「重視する」、または「考慮する」を選択した人は調査対象者の約半分(48%)を締め、男性の二人に一人は女性に経済力を求めていることを踏まえれば、これも納得のいく結果かと思います(第16回出生動向調査 18歳~34歳の未婚の男女を対象)。

 

BIUのシステムではすでに女性会員の年収が登録できるようになっていますが、実際に金額を登録されている会員様はまだ1割程度しかいらっしゃいません。経済力を求める男性からのアプローチを目的とした年収登録は、女性側からの視点ではまだ抵抗のある会員様も多いかもしれません。

しかしながら既にこうした考えは少々古いと言わざるを得ず、申し込まれるチャンスを最大限に生かすためには女性も年収を積極的に公開していく時代になったのではないでしょうか。

現在BIUのルール上では、女性の年収入力は必須としておりません。従って年収記載がなくとも会員登録は可能ですが、多くの会員様が考えているとおり、収入は結婚後のライフスタイルを決定する重要な指標の一つです。このような背景から、あるいはSDG‘sの観点からも、女性にも年収のご登録を必須とするように業界基準を見直していく必要性を強く感じております。